さようなら、こんにちは

「東京都北区赤羽」第③巻で、謎の廃寺・正光寺についての詳しい話を聞かせてくれた、
場末の某居酒屋の老婆。

③巻が完成した時、本を老婆に持っていった。
掲載された自分の写真や物語を見て、照れくさそうにしつつも、喜んでくれていた。

それから一週間ほど経った先日、老婆から電話あった。

・・怒っていた。

話を聞くに、赤羽の古くからの友人に苦言を呈されたらしい。
「あんな漫画に顔や店を出すことは、世間に恥を晒すようなことだ!」と。

友人からの忠告にハッと我に返った老婆は、俺の漫画に協力してしまったことを
深く後悔しているようだ。





















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俺は老婆から、心のマイミクを削除、つまり絶交されてしまったのだ・・・。

確かにあのネタに関しては、写真掲載の承諾をもらったとはいえ、
説明不足、配慮不足だった。老婆への老婆心も不足していた。

漫画の中で「ゴミ屋敷」扱いしちゃったし・・。
(その表現も、許可もらったつもりであったけど)

深く反省した俺は、長々と謝罪文を書いて、店の入り口にそっと置いてきた。
お婆ちゃん、不快な思いをさせていまい、本当にごめんなさい。

もし赤羽のどこかであの店を見つけても、今は老婆にとってデリケートな時期なので
どうかそっとしておいてあげてください。

そして漫画のことには絶対触れないでください。









































そして、別れあれば出会いあり。


老婆に絶交され、落ち込み気味で赤羽を歩いていた先日の夕方。

前方から、見覚えがあるような無いような、老人が歩いてきた。

























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③巻の冒頭で触れた、赤い老人・・


























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・・・が、全身緑になったバージョンの老人。

赤い老人はここ何年も見かけてないが、なんだこの緑の老人は!


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顔はちょっとわからないけど、件の赤い人と歩き方や雰囲気が、どうも似ている。

同一人物だろうか?
なんで赤から緑に?
マリオとルイージ的な兄弟?
赤いきつねと緑のたぬき?



なんとも不条理な展開に、しばし思考がマヒする。

話しかけたい。

話しかけたいけど、口実がない・・

一体どうしたら・・?










































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口実なんてどうでもいい。

口実なんて、後からついてくる。






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俺「あの・・数年前まで全身赤い恰好してました?」


思い切って尋ねてみた。




























緑の老人「・・・うん、してたよ」

うおおおおおお!!

やはり彼は元・赤い老人、赤い花屋だった!!!

うおおおおおおお!!数年越しの夢の接触!!!!
この数年間、俺は彼と直接話をしたいとう願望をずっと抱いていたのだ!!

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しかし、いざ本人を目の前にした俺は緊張と興奮で体も声も震え、
即・職質レベルの、完全なる不審者と化していた。

この機会を逃したら、もう次はない!!



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俺は長年彼を知ってるけど、彼からしたら俺は初対面の不審な若者。
心など開いてくれるはずもなく、黙って睨まれてしまった・・。





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どうしたら俺を信用してもらえるだろう?
どうしたら俺をわかってもらえるだろう?
どうしたら俺の貴方へのこの溢れ出る興味心を理解してもらえるだろう?

嗚呼、僕は貴方と、貴方とただ仲良くしたいのです。貴方のことを知りたいのです。
声にはならない声が、心の奥で空回り。




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しかし、あせればあせるほど言葉にできない。

もう無理だ・・・

































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「うち、くる?」

唐突に、老人が予想だにしない言葉を発した。

この時、目には見えない不思議な力を、確かに感じた。
俺の老人への熱い気持ちが、言葉を超越して老人に伝わり、
その全てを悟った上で許容してくれたのだ。

そう、あの時、俺と老人は心で間違いなく性交をした。

じゃなきゃ、あの流れで「うち、くる?」的な言葉など、絶対出ない。


























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もはや行かない理由などなかった。










































































c0152126_144018.jpg






























続く。
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by kurukurupaaaa | 2010-01-28 01:05 | 街人  

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