赤羽の赤い老人

赤羽には、全身を「赤」で覆い固めた異様な老人がいる。

この人物に関してはホームぺージの日記で長年に渡ってマークし続けてきたのだが、
その全記録を順を追って整理してみようと思う。

この人を、いや、この事件を、人々の記憶から風化させてはならない。




第一章【赤との遭遇】
最初にカレを見かけたのは、確か2004年の元旦の事だったと思う。
お正月の赤羽を、一人フラフラしていると、こんな人が視界に飛び込んできた。

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俺は思った。

「・・・赤っ!」

一応記念に写真に残しておいたものの、
その後しばらく遭遇する事もなかったので、
俺の記憶から徐々に薄れていった。



第二章【赤との再会】
時は流れ、2006年・夏

お金を引き出す為に赤羽の銀行に入った時、
こんな人が視界に飛び込んできた。
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俺は思った。

「・・・赤っ!」

同時に、数年前の記憶が蘇る。

「あの赤い老人だ!」

俺は金を引き出すのを後回しにし、
急遽この人の素性を引き出す事にした。
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自転車を見つめる赤い老人。
カレの自転車だろうか?
にしては赤くないぞ。
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いや、赤い!!!真ん中が赤いぞ!!
間違いなく赤い老人の赤い自転車だ!!!


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しかし残念ながら、この日は巻かれてしまった・・・。
一体何者なのだろうかという思いが、本格的に募り出す。


また、この時期に、新たな赤いおじさんが出現し始める。
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あの赤い老人と関係があるのか不明だが、キリがないので
この赤いおじさんに関しては、街で擦れ違ってもスルーする事にした。



第三章【赤との再再会】

それから一ヶ月後。
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横断歩道の手前で信号待ちをする、赤い老人が視界に入ってくる。
赤い老人の視線の先には、なんか赤いモノがある。
不可解なのは、信号が青なのに渡らない事だ。
まさか赤で行くつもりじゃ・・・。



前回よりも赤さのレベルがアップしている事に驚かされる。
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写真ではわかりずらいかもしれないが、赤い帽子に赤い羽根まで付けてるし・・。

「よおうし、今日こそ正体暴いてやるぞ!」

と、意気込んだものの、またまた巻かれてしまった・・・。
だってチャリを漕ぐスピードが速いんですもの。







第4章【赤との対決】

その数日後、赤羽の某スーパーにて。
(以下・HPの日記より転写)

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奴が現れた!!

「赤羽の赤い老人」だ!!

もはや買い物なんてどうだっていい!
今日こそこの赤い老人の正体を突き止めるべく、徹底的に尾行する事にした。
この前は逃げられたが、今日はそうはいかないぞ!!
一定の距離を保って、真後ろに付ける。
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それにしても、思わず見入ってしまう程の美しい「赤」である。
パッと見、靴は黒いが、正面から確認してみた所、ちゃんと赤い部分もあった。

一定の距離を保たず、今度は真横に回ってみる事にした。
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うおおお、サングラスのフレームまで赤い!!
こんな細かい部分にもちゃんと「赤」を入れている所に、
彼の赤に対する並々ならぬ情熱を感じる。

一度カレと二人でお酒を飲み交わしながら、どうしてこんなに赤にこだわるのか
事細かに問い正してみたいところだが、やっぱ怖いからやめておこう。


店の外に出た赤い人。
しめた、今日は徒歩だ!!


これなら尾行はたやすい。


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赤信号を堂々と渡る赤い老人。
やはりカレにとって赤信号は、すなわち「GOサイン」を意味していたのだ。

車に轢かれる危険を冒してまで赤信号を渡る、
彼の命がけの赤への「愛」に、思わず熱いものがこみ上げてくる。

いや、もしかしたら彼は、車に轢かれる事を望んでいるのかもしれない。
なぜなら、自らの赤い血にまみれて、大好きなこの赤羽の地で
死ぬる事ができるのだから・・・・・

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そしてしばらく歩いた後、カレは、とあるマンションに入っていった。
ここが彼の棲家なのだろうか。

中まで尾行する訳にはいかないので、ここで尾行終了。
彼の苗字と名前を知りたかったが(「赤井さん」希望)、残念ながら
今日のところは分からず終いだ。

諦めて帰ろうとした時、入り口左上に記されていたマンション名が目に入ってきた。




そこには




我が目を疑う様な





世にも恐ろしいマンション名が





存在していたのだった・・・

























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「○○グリーンハイツ」









ふざけるな!









終章【赤よ永遠に】

赤羽の路地裏とかで地味~に何十年も営業している
廃れた居酒屋やら場末のスナックやらが、俺は大好きだ。
そしてそこの年老いたマスターやママ、常連客らと
酒を飲み交わしながら赤羽のどうでもいい情報に花を咲かせるのだ。

そんな時、決まって赤い老人の事を尋ねる事にしている。

「赤羽で全身赤い格好の変な老人知ってますか?」

すると、驚くべき事に、70%くらいの高確率で
「知ってるよ」という答えが返ってくる。

なんでもカレは、昔赤羽でお花屋さんをやっていたらしい。
お花屋といっても、別にお店を構えていた訳ではなく、路上で花を売り歩いていた様だ・・・。
しかもあの赤い格好で・・・。

それがお花屋さんなのかといわれれば、ちょっと違う気もするが、
街の人からは「赤いお花屋さん」と呼ばれ、親しまれていたらしい。


なんだか、得体の知れない恐怖を感じた。

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結局、あれから赤い老人とは会えず終いだが、
一ヶ月に一回くらい、俺の夢に現れては俺を苦しめる。

街を歩いていたら、赤い老人が一人。あっちにも一人。そっちにも一人。
気付いたら街中赤い老人だらけ。
ふと自分の着ている服を見ると、全身真っ赤っ赤・・・ギャー!!!!

こんな感じの悪夢である。ほんと、勘弁して欲しい。




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カレは今も赤羽のどこかを、真っ赤な格好で俳諧しているのかもしれない。
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by kurukurupaaaa | 2008-01-15 19:44 | 街人  

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