地獄保育園②

「今から消火訓練を行います。全員中庭に集合しましょう」

園長のアナウンスが園内に流れると同時に、園児達は憂鬱になる。
いやだいやだと泣き出す園児も、決まって数名いた。

月に一度行われる消火訓練は、地獄そのものだった。

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中庭に出ると、その中央に激しく燃え盛る缶が置かれている。

何を燃やしているのか知らないが、鼻を突く嫌な臭いが辺りに漂い、
数名の園児はゴホゴホとむせ返っていた。

だが、この時点でむせ返ってる様な低レベルな園児どもは、
この消火訓練を乗り切れない。
本当の地獄はこれからなのだから。

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園児達が全員集合したのを見計らい、
鈴木副園長は缶に向かって勢いよく消火器を噴射する。
すると、たちまち白い煙がモクモクと立ち登り、園内は
あっという間に煙に占拠される。

消火訓練の行われる中庭は、四方が建物に囲まれており、
煙が充満しやすい状況になっていたのだ。
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息も吸えないし、目も開けない。
煙だけでもキツイのに、この臭いが尋常じゃなかった。

缶で燃やされていた何かと、消火液の二つが混ざり合い、
想像を絶する異臭を発するのだ。
起こしちゃいけない化学反応を起こしているとしか思えない。
今でもあの臭いは鮮明に覚えているが、例えようのない臭いである。
なので例えない。


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異臭と白煙に、園児達は大パニック。

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地獄絵図と化したその様子を、園長は屋上で嬉しそうに見つめているのだった。



耐えかねた一部の園児達は、逃げ出そうと出口に向かう。
しかし、そこを鈴木副園長が通せんぼ。
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ハンカチという名の最強の防具を所持している副園長は、無敵だった。
(園児達はハンカチを持つ事は許されない)

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保母さんは、自ら泣きながらも、懸命に園児達を励ましている。

もはやこんなの訓練でもなんでもない。
ただの火事である。

俺も最初のうちはこの異臭と白煙にパニックに陥り、ひたすら泣き叫ぶばかりだったが、
3回目くらいで生き延びる方法を発見した。

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身をかがめ、建物の下端にわずかに残っているきれいな空気を吸って
難を逃れたのだ・・・



こんな保育園が、どうして問題にならずにいけしゃあしゃあと営業できていたのか
不思議でしょうがない。

まあおそらく、園児達は親に密告できない程、園長に畏怖していたのだろう。
密告した事がバレたら何されるかわからなかったし。

事実、俺もそうだったし。






まだつづくし。
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by kurukurupaaaa | 2008-01-29 05:05 | 先生  

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