初めての恋文

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中学の卒業式を終えた俺達は、
校庭で第二ボタンを交換し合った。

そして「はい、中学おわりー」と脳内でつぶやき、
一人早足で学校を後にした。

卒業生の大半は校内でダラダラと卒業式の余韻に浸っている様だが、
俺は切り替えが早いのだ。




「清野くん!」


学校を少し離れたあたりで、誰かが俺を呼び止めた。
























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同じクラスのAさんだった。





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手紙を渡された瞬間、
ああ、この女子は俺に恋をしているのだな、と全てを悟った。

「返事・・待ってるからね」

一言そうつぶやくと、Aさんは足早に学校の方へと
去っていった。

恋文を手にした俺は、さすがにドキドキした。

Aさんは、クラスでもそこそこ可愛くて、勉強もでき、
男子からもそこそこ人気があった。

そのAさんが、何故俺ごとき愚民に恋文など・・・

俺は近くの公園のベンチに腰掛け、早速恋文を開封して、読んだ。
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その内容に、俺は憤った。












































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「さいのくんへ」












俺は「さいの」ではなく、「せいの」である。

恋文を書くにあたって、一番大切なことって何だろう。
相手への思いを上手に綴ること?
ブブー それは二番目!

一番目は、相手の名前をちゃんと書くことです。

まあ、今の俺がもしこの様な恋文をもらったとしたら
「アルファベット間違うほど緊張してたんだな~」と
笑顔で許容できると思うが、いかんせんこの当時14歳。

イジワル根性を発揮させてしまった俺は、
シカトという名の返事をする事にした。



1週間くらいたったある日、Aさんから返事を催促する電話がかかってきた。
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俺は知らぬ存ぜぬを電話口で繰り返した。
なぜなら俺は「さいの」ではなく「せいの」。
道理には反しているが、理にはかなっている。


「どうして・・どうしてちゃんと答えてくれないの・・・・?」

だんだん雲行きがあやしくなってきた。



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電話の向こうの国からやってきたAさんの嗚咽が、
俺の鼓膜をゆらした。



以後、「恋文」は「変文」として俺の宝物箱に納められ、
13年経った現在、こうして公開されるに至った訳である。

中学の同窓会には、Aさんと顔合わすのが怖くて1度も行っていないし
これからも行かない。

ってゆーか行けない。

ってゆーか、どうでもいい。
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by kurukurupaaaa | 2008-02-19 21:34  

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