お金の話

小学校1年生のある日、同級生の谷口君と駄菓子屋に行った時のことだ。

いつもは大した額の金を持ちあわせていない彼が、
ポケットから1万円札を取り出し、こう言った。



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小学校低学年のガキにとって、1万円とは天文学的な未知の金額である。


「マジで!?」

俺はテンションが上がり、大いに胸踊ったが、同時にその金が綺麗な金ではないこと・・・
つまり谷口君が親の財布から盗んだ金だということは、漠然とだが、気付いていた。

しかし、何でも買ってもらえるという欲望には勝てなかったので、
金の出所を詮索したりはしなかった。
詮索したら買ってもらえなくなってしまう恐れがあったからだ。

谷口君と駄菓子屋に行き、ビックリマンチョコやジュース、あんこ玉を買ってもらう。
ビックリマンチョコなんて1個30円もする高級品なので、普段はせいぜい3個くらいしか
買えなかったのだが、この日はなんと10個も買ってしまった!

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その後も、スーパーのゲームコーナーで何回もゲームをやらせてもらったり、
コロコロコミックを買ってもらったり、小学生にとって、夢の様な豪遊を二人でする。

さすがにもう遣い切っただろう・・・と思いきや、まだ8千円も残っている!
全然遣ってない!!!

「今日中に使わないとヤバイから全部遣ってしまおう!」と言う谷口君。

とりあえず、再度駄菓子屋に行って、カップラーメンやらすももやらを
がむしゃらに買いまくる。
別に食べたくないものも、無理して買って食べたりもした。
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しかし








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それでも残金7千円・・・

俺と谷口君は、だんだん怖くなってきた。
遣っても遣っても、お金がまったく減らないからだ。

谷口君は顔面蒼白で、「なんでだ・・・なんで減らねえんだ・・・」と
ブツブツつぶやいている。

「おもちゃ屋行こう、おもちゃ屋!!」

半ば戦意喪失気味の谷口君を、俺は強引におもちゃ屋へと連れていった。
おもちゃ屋なら駄菓子屋と違って高額なモノが沢山売っている。
ここならすぐに、この薄汚れた金を使い切ることができるのではなかろうか。
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しかし不思議なことに、店のショーケースに並べられているおもちゃやファミコンのカセットを
見ても、何もかも全っ然欲しくならないのだ。
普段なら全部欲しいと思うハズなのに・・・

結局何も買わずに(買えずに)店を出る。


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日が暮れ、俺達は途方に暮れる。


「俺・・もう帰るよ・・」

俺がそう切り出すと、谷口君は涙目になり、

「この金、実は親から盗んだんだ!頼むから一緒に全部遣ってくれ!」と声を荒げた。

「そんなこと言われても何に使っていいのかわかんねえよ!」


完全にパニックに陥った俺達は・・・・




























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泣き叫びながら近くの川にお金を投げ捨てたのだった・・・


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数日後、谷口君は親に使い込みがバレ、大目玉。
やがて谷口君の口から共犯者として俺の名が出た。
俺は母親と一緒に谷口君の家に謝りに行く羽目になった。
そして谷口君とは絶交することになった。


小学生にとって、時に大金は凶器になる事がある、という話でございました。
ではまた。
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by kurukurupaaaa | 2008-03-03 03:39 | 友人  

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