カテゴリ:友人( 22 )

 

中国人のN君

中学1年の時、同じクラスに中国人の留学生がやってきた。

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それが彼、N君。

まだ日本語をしゃべれない為か、もしくは日本人の事が嫌いな為か、
彼が自発的に口を開く事はなかった。

しゃべらない上に、常に不敵な笑みを浮かべているので、
クラスメイト達は皆、薄気味悪がって、話しかけたりする事もなかった。






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そんなN君を、俺達はけん制しつつ、一体どんな奴なのか
憶測し合ったりしたもんだ。

「拳法の達人説」や「スパイ説」、挙句の果てには「非童貞説」など、
突拍子も無い噂も駆け巡ったりもした。

一体N君がどんな奴なのか正体不明のまま、時だけが流れた。





















で、運動会が近づいてきたある日のこと。
誰がどの競技に出場するのか、担任の半沢先生が中心となってクラス会議が行われた。

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ここで一番不人気な種目が〝1500M走〟である。
距離も時間も長いしキツいし、誰も率先してやろうとはしなかった。








































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一人を除いては。




































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そう、N君である。

































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クラス中は一瞬、し~んと静まり返った。

「よし、じゃあNで決まりだ!」

半沢先生の一言により、1500Mの走者は、N君に決定した。







その後の休み時間、俺達はN君での話で持ちきりとなった。

「やっぱアイツ、只者じゃねえよ!」
「走りに相当自信があるに違いない!」
「中国4000年の実力、楽しみだな!」


果たしてN君は、運動会でどんな走りを披露するのか・・・










































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乞うご期待。
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by kurukurupaaaa | 2008-07-28 03:18 | 友人  

山本君③

山本君をこのブログでネタにしたその日の夕方。
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普段滅多に電話なんてよこさない、メール派の山本君から着信があった。
しかも数分置きに二回も。

とりあえず無視。








すると翌日も電話が・・・
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やばい。







ここでネタにした事がバレ、怒っているのかもしれない。

実は「山本君」というのは仮名で
本当は「山田君」だったり「山野君」だったりすればさほど問題にはならないのだろうが、
大変残念な事に、山本君は本当に山本君なのだ。

公開したメールも全て本物だし、バレてしまったら言い訳しようもない。



いや、言い訳するつもりなどない。



その時は、潔く絶交するつもりだ。

ここでネタにした時点で、そのくらいの覚悟はしている。

でも、少し寂しい。

小学校1年から現在に至るまでの、彼との20数年間の思い出が、
走馬灯のように脳裏を駆け回る。



中学の時。

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よくチャリで隣町の自販機まで、エロ本を一緒に買いに行ったよな・・。
金入れたのにエロ本出てこなくて、あきらめて鯛焼き食いながら無言で帰った事もあったっけ。



















小学1年の時、よく山本君ちにファミコンをやらせてもらいに行ったもんだ。
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ある日、二人でマリオブラザーズをやっていた時のこと。

このゲームは二人で協力し合わないと絶対にクリアーできないのだが、
俺は協力すること無く、敵のカニを生き返らせて山本君を何度も殺し、
山本君の怒る表情を楽しんでいた。


「ごめん、もうしないもうしない!」




と、謝った直後にまたカニを生き返らせて、山本君を殺す。



















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ついに山本君はキレて、俺にコントローラーを投げつけてきた。



























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キレた山本君に俺はキレ返し、ファミコン本体ごと彼に投げつけた。






















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そして山本君の首を絞め、殺そうとした。

その後、山本君の謝罪を受け入れ仲直りしたけど、
俺が派手に投げたせいでファミコンは壊れてしまった・・・。

山本君、あの時はすまなかった!





























そして小学4年生の時、君の家から50本以上のファミコンのカセットが消えたと
大騒ぎになって、真っ先に俺を疑ってきたよね。
あの時俺は、本気で悲しかったよ。

親友の俺を疑うなんて・・・。






















今言うけど、あれパクったの俺と石田君。
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ごめんな!



嗚呼、語りつくせぬ山本君との楽しい思い出の数々!!


電話で山本君の怒りの言葉を聞くのは嫌だったので、
恐る恐るメールしてみる事にした。



「昨日は電話出れなくてすまん。なんか用か?」





すると山本君から、とんでもない返事がきた・・・・





















































































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山本君・・・・




俺さ・・・・











































貸すぜ!


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昔出した単行本『青春ヒヒヒ』(現在超絶版中)がwebコミックとして配信中。
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by kurukurupaaaa | 2008-05-27 19:50 | 友人  

山本君②

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以前にも触れた、幼馴染の山本君について。
(山本君①→http://usurabaka.exblog.jp/7941591/)


今日も今日とて相も変わらず、性懲りも恥じらいもプライドも無く、
山本君は俺に金の無心をしてくる。

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金の無心だけでなく、間違い電話もしてくる。

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貸す。貸すよ。
無条件でいくらでも貸す。

バイトしてでも闇金から借金してでも、俺は君に金を貸す。


何故って?



それは君がカスだから。

そしてカスに貸す、俺自身もカスだから。





カスはカスでもイカすカス、山本君との過去のエピソードを一つ。

山本君は小中学校時代、肥満児だった。
肥満児といっても大デブまではいかない、
中デブクラスといったところか。

その中デブの山本君が、高校に入った頃にダイエットを始めやがった。
食事制限から始まり、毎朝毎夕欠かさずにジョギング。


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ダイエットは順調に進み、山本君はみるみるうちに痩せていった。

























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俺はあせった。

高校に一人も友達のいなかった俺が、この当時唯一友達だと思ってたのが
この山本君。

その唯一の友人である彼が、痩せてモテようとしている。
俺の知らない、遠くの世界に旅立とうとしている。






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俺は許せなかった。
そして何より、俺は寂しかった。



堪忍袋の緒が切れた俺は、山本君のダイエットを阻止すべく、
ある行動に移すことにした。


この当時、俺は近所のスーパーでバイトをしていた。

そのスーパーで廃棄になった食材を大量にくすね、
帰り際に山本君の自転車のカゴにゴッソリ置いていくのだ。

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ケーキやドーナッツや揚げ物など、カロリー高めな物だけを見繕って。

俺は知っていた。

小学校1年以来の付き合いである山本君が、
こういった食べ物に目が無いという事を。


俺は知っていた。

山本君が、目先の食べ物に関しては、かなり意思の弱い人間だという事を。






カゴに食べ物、もといトラップを仕掛けた俺は、山本君に即刻電話。


「今お前のチャリカゴにお土産入れておいたから、良かったら食べてよ」






















で、翌朝家の前を通り掛かると・・





































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チャリカゴからっぽ!!

山本君は、俺の好意に見せかけた悪意を受け入れ、
食べてくれたのだ。



そんな俺の高カロリーテロは、半年に渡って続けられた。













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せっかく痩せた山本君は























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みるみるうちに元通りの中デブに。










































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やがて中デブを通り越して、大デブに・・。

























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そんな山本君の肥えた姿を見つめながら、俺は心の中で「おかえり」とつぶやいた。

以後、現在に至るまで山本君に彼女はいない。























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山本君!

俺、貸すぜ!!
















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話は変わりますが、昔の単行本『青春ヒヒヒ』(現在超絶版)がwebコミックとして
読めるようになりました。いや、ぶんか社の方が読めるようにして下さりました。
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色々言いたいことはあるけど面倒なので省略!
有料ですが、読みたい人だけどうぞ。ただし、後悔しても責任は一切負えません。

※今日からしばらく、この告知は記事の下に付けておく事にします。
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by kurukurupaaaa | 2008-05-22 03:57 | 友人  

回るか回らないか

押切君がらみの馬鹿エピソードを、もう一つ。
(彼とのエピソードは9割方馬鹿なものだけど)


あれは今から4年程前の年末、
某出版社の忘年会に参加した時の事だ。

特に話せる漫画家も編集者もいなかった俺達は、
当ても無く会場をフラフラさまよっていた。










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そんな時、見覚えのある顔が視界に飛び込んできた。

























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それは、かの有名な『夜回り先生』であった。
青少年の味方の夜回り先生が目の前にいる。
何でこんな所に夜回り先生がいたのかというと、
それは彼がこの出版社から出てる某雑誌で、
漫画の原作をてがけていたからに違いない。










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俺は素朴な疑問を押切君にぶつけた。
























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今夜は夜回らないとニラむ俺。夜回ると信じる押切君。

しかし、こんな物陰で予想し合った所で、結論など出やしない。


























































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なので忘年会が終わった後、夜回り先生を尾行する事にした。









果たして彼は夜回るのか否か・・・・
















































































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夜回り先生は脇目もふらず、即・帰っていった。

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いや、多分帰ったのではなく、不良少年不良少女がもっと沢山いる、
別の町に移動したに違いない。
そしてそこで夜回ったのだと俺は予想する。

いやいや、夜回りせずに帰宅したとしても、彼の家のパソコンには日夜救いを求める
青少年からのメールも沢山来るみたいなので、メールチェックという線も捨て難い。
一つ一つ、ちゃんと返信してるらしいし。

何を言いたいのかというと、俺達は夜回り先生を信じているという事だ。










































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俺達は、夜回り先生の代わりにこの町を夜回りしてから帰った。
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by kurukurupaaaa | 2008-05-15 22:14 | 友人  

例の体験

死体がらみの記事ばっか描いてたら、
もう一つ「死」にまつわるエピソードを思い出した。
個人的には、人身事故なんかより何倍も恐ろしかった体験。


俺は「霊」というモノは信じない主義の人間であるという事だけ前置きしておく。








あれは今から7年くらい前、俺がまだ大学生だった頃の話だ。

本来なら就職活動に専念しなければならない、人生における最も大切な時期に、
俺はヤンジャンで『青春ヒヒヒ』とかいう糞漫画を連載していた。

初めての連載に、俺は発狂寸前だった。
ってゆーか、発狂してた。今漫画を読み返すと、それがよく分かる。
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一週間に一人で14Pも描く事なんて、鈍才な俺には無理なのだ・・。
編集部からアシスタントを派遣してもらう事も可能だったが、
見ず知らずの人間と仕事なんてできないので断った。
部屋にある大切な小物とか盗まれるかもしれないし。

でもやっぱ一人はキツイ・・・



























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そんな中、助けてくれたのが押切君だった。

「タスケテクレ!!」と電話したら「イイゼ!」と快諾してくれて、
週に一度、遠路はるばる我が家までやって来て、トーンを貼りまくってくれたのだ。
これは本当に助かった。
見ず知らずの人間に大切な小物を盗まれるよりは、気の知れた押切君に盗まれた方が、
まだいい。





で、いつもの様に一緒に原稿やってたある日。

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押切君の携帯が鳴った。






























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その途端、部屋の空気がズン!!!と重くなったのだ。
なんというか、違う次元に迷い込んでしまったというか、
自分の部屋なんだけど自分の部屋じゃない様な・・・
とにかく、異様な感じ。

コレは俺だけでなく、押切君もハッキリ感じたので、
断じて気のせいでは無い。


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と同時に、猛烈な寒気に襲われた。
季節は秋だったが、まだまだTシャツ1枚でやり過ごせるくらいの陽気だったのに・・。




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携帯は延々と鳴り続けている。
















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ようやく押切君が電話に出た。

相手が誰なのか気になって仕方なかった。
だって部屋の空気が狂ったのは、明らかにこの電話が鳴ってからだもの・・。

10分、20分、30分・・・

いつまで経っても話終えない押切君にしびれをきらし、
小声で尋ねてみた。

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なんと相手は警察だった。
























話を要約すると、押切君の友人がデパートの便所で首吊って自殺したらしいのだ。
(友人といっても、一、ニ度会ったにすぎないくらいの関係だったらしいが)

で、その友人の唯一の所持品である携帯のメモリーには、
押切君のデータしか入っていなかった為、警察から押切君に電話が入ったという訳だ。
誰にも相手にされない中、最後まで親身になってくれた押切君にだけ
心を許していた様だ。






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警察に取り調べを受けながら、トーンを貼り続ける押切君。
その横でフザけた原稿を描く、俺。

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「部屋の空気が変わった理由、分かったよ」

電話を終えた押切君が呟いた。

押切君がまだ、その友人が本気で死ぬとは夢にも思ってもいなかった時期に、
冗談半分である約束を交わしたらしいのだ。


押切君「俺オバケ信じないからさ、死んでオバケになれたら俺んとこ会いにきてよ」

友人「わかった、すぐ行くよ」


その約束通り、友人は会いにきてしまった様である。


























俺んちに・・・・。






















霊は信じないけど、すごくイヤ~な気分になった。

でも大丈夫!
いつも押切君はうちに一泊して、翌日の昼くらいに帰って行く。
さすがに一人はキツイけど、押切君と一緒ならばこの状況も笑いにできる・・・
はず。




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押切君は、容赦無く帰って行きやがった・・・。













































俺は霊も信じないし、霊感も無いけど・・




































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あの夜確実に俺の部屋には誰かがいた。



翌日の昼くらいまで部屋の空気はおかしく、原稿の締め切りを破りかけた。
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by kurukurupaaaa | 2008-05-12 02:50 | 友人  

吉川君と連れ野グソ

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小学一年の時の、ある下校時のこと。

一緒に下校をしていた同じクラスの吉川君が腹痛を訴えた。

小学生の男子にとって、級友に糞をする事がバレるという事は、
すなわち「死」を意味する。
運良く死に至らなくとも、級友達から迫害を受ける事は免れない。

それ程隠さねばならない行為なのだ。小学生にとって。脱糞は。

しかし吉川君のオナカは、とうに限界に達していた様で、今にももれそうな勢いで
その場にしゃがみこんだ。

辺りにトイレはない。


俺は優しく語りかけた。

「実は俺もオナカが痛いんだ。あそこの茂みで一緒に野グソしようよ」

吉川君は安堵の表情を浮かべ、俺の提案に賛成してくれた。
一人ではタブーな野グソも、二人ならば秘密を共有する事によって許される。
吉川君は、秘密の共有者として、俺の事を信頼してくれたのだ。











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近くの団地の奥の茂みに移動し、俺と吉川君は仲良く隣り合わせて
パンツを下ろして並んだ。

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吉川君の肛門付近から、脱糞の音を確認したのと同時に俺は・・・






































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すごい勢いでパンツとズボンを履いた。

実は、「実は俺もオナカが痛いんだ」というのは嘘だった。
吉川君が本当に野グソをするのか、試そうとしたのだ。















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絶句する吉川君。
一度肛門から出発したウンコは、後戻りできない。

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糞をしながら絶望の瞳で俺を無言で見つめる吉川君を
俺は指を差して爆笑し続けた。
今考えればかなり酷い行為だが、この当時小1だという事でご容赦願いたい。

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で、そんな吉川君の尻を尻目に、俺は一人で帰った。






翌日、何食わぬ顔で吉川君に話しかけたら、「シカト」という名の返事が返ってきた。
当然といえば当然だが、俺は絶交されてしまったのだ。

以後、一言も会話する事無く、吉川君は4年生の夏休み前にどこかに転校してしまった。
その後の行方は知らない。











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あの時の吉川君の「目」が、脳裏に焼きついて離れない。

吉川君、あの時はまじでごめん!
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by kurukurupaaaa | 2008-03-11 03:58 | 友人  

お金の話

小学校1年生のある日、同級生の谷口君と駄菓子屋に行った時のことだ。

いつもは大した額の金を持ちあわせていない彼が、
ポケットから1万円札を取り出し、こう言った。



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小学校低学年のガキにとって、1万円とは天文学的な未知の金額である。


「マジで!?」

俺はテンションが上がり、大いに胸踊ったが、同時にその金が綺麗な金ではないこと・・・
つまり谷口君が親の財布から盗んだ金だということは、漠然とだが、気付いていた。

しかし、何でも買ってもらえるという欲望には勝てなかったので、
金の出所を詮索したりはしなかった。
詮索したら買ってもらえなくなってしまう恐れがあったからだ。

谷口君と駄菓子屋に行き、ビックリマンチョコやジュース、あんこ玉を買ってもらう。
ビックリマンチョコなんて1個30円もする高級品なので、普段はせいぜい3個くらいしか
買えなかったのだが、この日はなんと10個も買ってしまった!

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その後も、スーパーのゲームコーナーで何回もゲームをやらせてもらったり、
コロコロコミックを買ってもらったり、小学生にとって、夢の様な豪遊を二人でする。

さすがにもう遣い切っただろう・・・と思いきや、まだ8千円も残っている!
全然遣ってない!!!

「今日中に使わないとヤバイから全部遣ってしまおう!」と言う谷口君。

とりあえず、再度駄菓子屋に行って、カップラーメンやらすももやらを
がむしゃらに買いまくる。
別に食べたくないものも、無理して買って食べたりもした。
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しかし








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それでも残金7千円・・・

俺と谷口君は、だんだん怖くなってきた。
遣っても遣っても、お金がまったく減らないからだ。

谷口君は顔面蒼白で、「なんでだ・・・なんで減らねえんだ・・・」と
ブツブツつぶやいている。

「おもちゃ屋行こう、おもちゃ屋!!」

半ば戦意喪失気味の谷口君を、俺は強引におもちゃ屋へと連れていった。
おもちゃ屋なら駄菓子屋と違って高額なモノが沢山売っている。
ここならすぐに、この薄汚れた金を使い切ることができるのではなかろうか。
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しかし不思議なことに、店のショーケースに並べられているおもちゃやファミコンのカセットを
見ても、何もかも全っ然欲しくならないのだ。
普段なら全部欲しいと思うハズなのに・・・

結局何も買わずに(買えずに)店を出る。


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日が暮れ、俺達は途方に暮れる。


「俺・・もう帰るよ・・」

俺がそう切り出すと、谷口君は涙目になり、

「この金、実は親から盗んだんだ!頼むから一緒に全部遣ってくれ!」と声を荒げた。

「そんなこと言われても何に使っていいのかわかんねえよ!」


完全にパニックに陥った俺達は・・・・




























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泣き叫びながら近くの川にお金を投げ捨てたのだった・・・


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数日後、谷口君は親に使い込みがバレ、大目玉。
やがて谷口君の口から共犯者として俺の名が出た。
俺は母親と一緒に谷口君の家に謝りに行く羽目になった。
そして谷口君とは絶交することになった。


小学生にとって、時に大金は凶器になる事がある、という話でございました。
ではまた。
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by kurukurupaaaa | 2008-03-03 03:39 | 友人  

早川君

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小学校に入学して、最初に友達になったのが早川君だった。

早川君は昆虫博士で、よく一緒に虫を捕りに行っては
昆虫の知識を教えてくれたものだ。
放課した後も、公園で泥まみれになって走り回ったり、
近所のガケを探検したりと、毎日の様に遊んだ。

早川君と俺は、親友だった。



そんなある日の休み時間のこと。
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俺は、クラス一のカワイ子ちゃんであるT子ちゃんと
教室でふざけあっていた。

小学校低学年の男子は、気になる女子にちょっかい出したがるもんである。
思えばこれが俺の初恋の相手だったかもしれない。
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そこを、たまたま通り掛かった早川君に助を求めた。
このじゃれ合いに、親友の早川君も混ぜようと思ったのだ。

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それが惨劇の始まりだった・・・

















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早川君は、本当に俺を助けてくれたのだ・・・・・


数年後に『生理』という一大イベントを控えた大切な子宮めがけて
思い切りグウでパンチ。
床に倒れたところを足でボッコボコ。
「ボコボコ」ではない。「ボッコボコ」である。

初恋の相手が、親友に暴行されるいう不条理極まりない光景に、
俺の思考は完全にフリーズし、ただただ傍観するしかなかった。



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その後、T子ちゃんからは無視される様になり、
俺の初恋は幕を閉じた。





あれから20余年。
今でも早川君とは年賀状のやり取りをしている。

早川君は去年、東大の大学院を卒業し、博士号を取得したらしい。
今後は大学の教授か、学者にでもなるのだろう。
俺の旧友の中で、早川君は一番のエリートであり、出世頭である。








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未だに金をせびってくる山本君とは大違いだ。
(山本君も同じ1年3組だった)






早川君・・・今なら僕は、声を大にして言えるよ。





「あの時は助けてくれてありがとう!」





と。
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by kurukurupaaaa | 2008-01-20 00:41 | 友人  

山本君

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幼馴染の山本君が、金の事で俺に泣きついてくるのは、
今に始まった事ではない。
もう10年以上も前から、こうして俺に泣きついてくるのだ。

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その度に俺は山本君に金を貸す。
別に困ってる山本君を助けたいとか、
小学校1年以来の付き合いだからとか、
そういった友情的な奇麗事で貸す訳ではない。

俺が楽しむ為、つまり俺の為に貸すのだ。

俺が山本君だったら、俺は俺から絶対借りないだろう。
しかし残念ながら、俺は山本君じゃないし、山本君は俺じゃないので
今日も今日とて山本君は俺に金の無心をしに来るのだ。

そんな山本君の事が、俺は大好きなのである。


それでは、今まで山本君に行ってきた数々のヒドい貸し方をご紹介。




ある日の夜、山本君がうちに金を取りにきた。
俺は財布から金を取り出し、「ハイ」と手渡す素振りをし、
山本君が受け取ろうと手を差し伸べた瞬間、札を地面にパラパラと落とす。




「拾え」





そう山本君に命令する。
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山本君は、しぶしぶアスファルトの上のお札を一枚一枚拾っていた。
俺を見上げる顔は、屈辱に満ちていた。

一回やってみたかったんだよな、このやり方。



金を貸すと約束していたある日の夜、
山本君にこんなメールを送ってみた。


「今お前んちの前の、とある場所に金を隠したから見つけてみ」





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メールを送った数秒後に、山本君はすごい勢いで家から飛び出して来た。
そして家の周辺の、ありとあらゆる場所を、無我夢中で探し始めた。














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その様子を俺は、金を片手に塀の影から見守るのだ。



ある日の深夜、山本君がうちに金を取りに来た。
俺の実家の部屋は、二階の一番奥だった為、わざわざ外に出るのが面倒くさかった。
そこで札を折って飛行機にし、窓から下の山本君めがけて投げる事にした。
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しかし、タイミング悪く(良く?)、札は木の枝に引っかかってしまった。
山本君は、近くに落ちてた木の枝を手にし、
暗闇の中、札をゲットする為にピョンピョン飛び跳ねるのだった。
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そんな必死な山本君を見下しながら吸うタバコの、うまいことうまいこと。














また山本君にお金を貸したい。
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by kurukurupaaaa | 2008-01-09 04:12 | 友人  

神崎君②

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古本屋の前で初対面を果たした俺達は、
その足でマクドナルドに向かった。

そしてコーラを飲みながら、しばし談笑。
いや、表向きは談笑なのだが、お互いがどういう人間なのかを
警戒しながら探り合っていたのだ。
2時間ほど様々な話をしたが、この押切という男がどういう人間なのか、
俺はまったくもって掴めなかった。

マックを出た俺達は、気分転換に街を俳諧する事にした。
特に会話も無いまま、ただひたすらに夕暮れ時の神保町を歩き続けた。

と、押切君が沈黙を破り、唐突にこんな事を聞いてくる。

押切「清野君、君は童貞なのかい?」

清野「そういう押切君こそどうなんだい?」

押切「・・・童貞だとも」

清野「・・・俺もだとも」













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「童貞」という、十代の男子にとってこの上ない共通点のもと、
俺達はようやく打ち解け合った。
長い年月を経て、ようやく俺達は真の「友達」になれたのだ。

そしてこれがキッカケとなり、長いこと内に秘めていたお互いの価値観やら人生観を素直にさらけ出すと、俺達は驚くほど共感し合った。


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ある時は電車が通過する鉄橋の下で、
「今俺達の頭上をとんでもない数のウンコ(乗客の腹に詰まった糞の事)が、とんでもない速度で通過しているぞ!」と笑い転げたり・・・
ある時は『人間の歌』を作り、
「皮膚皮膚皮膚皮膚髪髪髪髪指指指指爪爪爪爪舌舌舌舌♪」
と、街中で大声で合唱しながら歩いたり・・・
相乗効果によって、俺達の行動はじょじょに常軌を逸し始めた。

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笑いすぎて街角で吐き気を催すことしばしば。
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押切君に至っては、笑いすぎて喘息の発作を起こしたりもした。

はたから見れば、俺達はただの気違いだったろう。
しかし俺は非常に楽しかった。
今まで出会ってきたどの連中より、押切君は俺の価値観に共感してくれるし、
何を言っても引かないし、くだらない悪ふざけにも率先して付き合ってくれる。

押切君とは一生を通して仲良くしていこうと、心に堅く決意した。















そんなある日、押切君が俺より先に童貞を捨てやがった。
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押切君とは絶交しようと、心に堅く決意した。
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押切君からの誘いは全て断り、メールも無視。
MSNメッセンジャーだって、もちろん禁止だ。




















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数ヵ月後、俺も童貞を捨てる。




















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再び押切君と仲良くなった。











そんなある日、押切君からこんな電話がかかってきた。
「清野君、大変だ!石田君の彼女の中国人が、俺の母親に会う為に、近々うちに遊びにくるかもしれないんだ!」

石田君とは、前回触れた、俺の幼馴染である。
押切君と石田君は、電話で一度話しただけで、その後一切接点は無い。
俺も二十歳を過ぎてから徐々に石田君と疎遠になり、連絡先も知らない。

石田君に中国人の彼女がいることだけは、風の噂で知っていたが、
その事を押切君の口からこんな形で聞かされるとは・・・。
しかも何で押切君の家に、石田君の彼女の中国人がやってくるんだ・・・!?

俺は頭の中がごちゃごちゃになり、過呼吸になりそうだった。


話を要約すると、
押切君の母親の友人の友人の友人の友人が偶然石田君の彼女で、
その友人どもに連れられて押切君宅に遊びに来る事になったらしいのだ。(図B参照)
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俺は電話口で声を荒げた。

「その面会、全力で阻止してくれ!!!!」

変なとこから湧いてきた、石田君の謎の彼女が押切君の母親に会うという現実が
俺は恐ろしくて仕方がなかったのだ。

「言われなくても阻止するつもりだ!!!」

押切君も声を荒げた。

押切君の妨害工作によって、見事面会は破談になった。
(その後石田君は、その彼女と結婚して、中国に渡ったらしい)




こういう、ありえない変な偶然が、俺達の周りではよく起こる様な気がする。
押切君と知り合ったのもありえない偶然だが、全部ひっくるめて必然の様な気が、
しなくはない様な気がしなくもなくはない様な気もする。





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多分押切君は俺より先に結婚すると思うので、
その時また絶交してやろうかと、密かに計画しております。
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by kurukurupaaaa | 2008-01-06 20:21 | 友人