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元・赤い老人んち

・・・その前に、前回触れた老婆の件。

絶交されてしまった俺は、便箋4枚にも渡る手書きの謝罪文を、
老婆の店の前にそっと置いてきた。
今までの人生で培った国語力と発想力の全て、
そして愛情をも詰め込んだ、濃密な謝罪文を。



それから数日後、老婆から電話がかかってきた。











・・・怒っていなかった。




「手紙を読んで涙が出たの・・この前は酷いこと言ってしまってごめんなさい。
あなたやっぱり良い人だったのね。」




















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絶交一転、仲直り成功。

自分でもうっとりするくらいの出来の謝罪文だったし、
この仲直りは必然といえよう。


おっと、もちろん本気で反省もしてますぜ!



















・・・で、元・赤い老人、現・緑の老人の件。


ひょんな事から、緑の老人宅にお邪魔することになった俺。
駅からそう遠くない、とあるマンションの一室に案内される。


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すぐに室内に招き入れてくれるのかと思いきや、
俺を外に残して、先に一人で入ってしまった。
待つこと2分、再び玄関のドアが開いた。

ガチャ・・

























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うおおお!!
人の顔したバリケード越しに、緑の老人が!!















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「目」をかたどった穴から、得意気にこちらを覗く緑の老人。

どうやらこのバリケードは、しつこい勧誘や、
泥棒を脅かす為に自分でこしらえたものらしい。
器用かつ斬新かつ不気味。





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遠慮なく室内へお邪魔させてもらう。
赤一色、もしくは緑一色の奇抜な部屋を期待したが、
残念ながらごく普通のありがちな部屋だった。



俺「あの、ご主人が赤かった頃の写真とかありませんか?」

緑の老人「うーん・・・じゃあ探してみるから、ちょっと待ってね」

俺の唐突で不躾な申し出に、緑の老人は嫌がることなく親身になって写真を探してくれた。
我ながら、初対面でこのやり取りは「無いな」とは分かっちゃいたけど、
それでもどうしても知りたかったのだから仕方ない。















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あ!

写真を探すご主人付近に、赤かった頃の名残の品物が!

あの赤いベレー帽は、最初に遭遇した時にも被っていた、
いわば赤い老人を象徴する代物である。
あれだけでもう充分な証拠である。

俺「ご主人、もう結構です、納得しました!」

緑の老人「あったあった。これ見てごらん」





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うおおお・・赤え!!!

本邦初公開!
コレが赤かった頃の緑の老人だ!!

こんな恰好で赤羽を歩かれた日にゃ、
そりゃ「誘ってる」と思われても仕方ないですぜ、旦那!


他にも数枚、写真を見せて頂く。

















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サングラスでダンディにキメる、赤い老人。


















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オカマに扮する、赤い老人。
意外とお茶目なところも、あるのですね。





俺「あの・・今見せてもらったこの写真・・」

緑の老人「ん?なあに?」

俺「すごく言いづらいんですけど・・・」

緑の老人「なによ。言ってみなよ」
































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我ながら、初対面でこのやり取りは「無いな」とは分かっちゃいたけど、
それでもどうしても欲しかったのだから仕方ない。
しかも、何ら嫌がることなく、写真をくださった緑の老人。

ブログや漫画で公開することも、快諾して下さった。
なんて理解ある優しい人だろう・・。

頂いた写真、絶対無駄にはしませんからね!!!




















俺「ってゆーか、何で真っ赤な恰好してたんですか?」


緊張も解け、だいぶ打ち解け合ったところで、
長年気になってた核心的なことに迫る。

果たして、その答えは・・・



























緑の老人「赤が、好きだから」



俺「・・・他に理由は?」

緑の老人「別に」


なんと!!赤い老人が赤い恰好をしていた理由は、
赤が好きだったからであった!!!

・・・もう少しトンチの効いた答えを期待したけど、やむをえない。
これも一つの真実だ。真摯に受け止めよう。


俺「緑色になられた理由は?」




























緑の老人「赤に飽きたから」

なんと!!赤い老人が緑の恰好に変化した理由は、
赤に飽きただったからであった!!!

・・・もう少しトンチの効いた答えを期待したけど、やむをえない。
これも一つの真実だ。真摯に受け止めよう。



俺「路上で花屋を売るのは、もうやめられたんですか?」

そして第二の核心、花屋のことについて迫る。
(花屋のくだりは③巻参照)




























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・・・なんということだろう。
この場面で、衝撃の新事実発覚。

「赤い老人」と「赤い花屋」は、まったくの別人だったのだ。


この人は、ただの赤とカラオケと「緑が好きなだけの、
至って普通の人だった。





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長くなっちゃったので、続く。

# by kurukurupaaaa | 2010-02-07 00:26 | 街人  

あの人は今

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『東京都北区赤羽』の主人公といってもいい、この人。
居酒屋“ちから”のマスター。

よく読者の方から「“ちから”の場所を教えて欲しい」との質問を頂きますが、
残念ながらもう“ちから”はこの世に存在しません。
お潰れになられてしまったのです。

ではマスターは今、何をしてるのか?


















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入院しています。

病名は末期の「馬鹿」で、医者も手術の施しようが無いと、諦めています。
今はただ、死を待つだけの日々を静かに送っています。

・・というのは冗談で、内臓の病気で入退院と手術を繰り返す日々を送っております。
まあ、すぐ死ぬような病状でもなさそうだし、
マスターは不死身なのであまり心配していませんが。

写真をご覧頂ければ分かると思いますが、大丈夫です。
大丈夫じゃないけど、大丈夫です。

昔のマスターと大きく変わったことといえば、
服用している薬の副作用で、体内の女性ホルモンが活性化され、
髪が生えてきたことだろうか。ハゲが嘘みたいに治ったのだ。

あと、胸も膨らみだし、性格も女性化し、
「清野さんになら尻の穴を貸しますよ」的な不気味なことを
よく言ってくるようになった。





























全然大丈夫じゃないけど、大丈夫なのです。

# by kurukurupaaaa | 2010-01-13 16:55 | 先生  

新年!!

あけましたか?

あけてませんか?

おめでとうございますか?

おめでとうございませんか?






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昨年末までやる気のなかったサンドウィッチマンのおじさんの
やる気は戻ってきたようですが、俺のやる気は戻ってきておりません。
あやかりたいです。


























年末、予定通り山谷に行って、愉快なホームレスのおじさんたちと
酒盛りしてきました。

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ホームレスの爺さんから、

「これ、お前にやる」

と、1000円札を差し出される。
丁重にお断りしたけど、「いいから、黙って持ってけ」と一喝。

ありがたく頂いたけど、その光景を目にした友人からは
とても笑われた。
ホームレスの方から見ても、俺は哀れな人間のようだ。


あと、夜はドヤに泊まって知らない外国人たちとお酒飲んだりお絵かきして遊んだりした。
とても楽しかったです。






























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来週の土曜(16日)に『東京都北区赤羽』③巻が出ます。
アマゾンにも登録開始されたようです。



今回から3話分ページが増え、
その分本の厚みも増すので、今までよりかは読み応えが
あるんじゃなかなあとニラんでおります。

帯には「『このマンガがすごい』ランクイン!」みたいな煽りが
踊ってますが、ランクインしたといってもベスト50位以内に
滑り込みで入れただけで、帯で堂々と煽れるほどのことでは無いことは
わかっている。
わかっているけど、それでも「このマンガがすごい!」の影響力はすごい!ので、
少しでもあやかりたい所存なのである。


余談だけど元旦の深夜に、あの漫☆画太郎大先生から
こんな感じのメールがくる。

「今何気なくMXテレビを見てたら、ナイトレストランのママが清野さんの漫画を宣伝していました。
赤羽では結構売れてるとママが言ったら、マツコデラックスが爆笑していました。」

・・・今度ナイトレストランに確認しに行ってみようと思う。

























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明日、晴れたら赤羽の路地裏にある、赤ちゃん八百屋にでも行こうかな。
そしてきゅうりでも買おうと思っている。

・・・なんだよ赤ちゃん八百屋って。
























明後日は友人がエレカシのライブに連れてってくれるというので、
今から楽しみだ。
エレカシに関しては、別に彼らが赤羽出身だから好きという訳でなく、
好きになったアーーティストが、たまたま赤羽出身だっただけである。

ちなみに人生初のライブなので、緊張しています。
酔い止め飲んで行こう。























そんなこんなで皆さん今年も僕と僕の漫画と僕のブログと僕をよろしくお願い致します!

<(_ _)>

# by kurukurupaaaa | 2010-01-07 23:45  

潜入!謎の「赤羽くのいち屋敷」⑤


忍者の正体はババアであり、
忍者の恰好はババアであることを隠す為のものであった・・・



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その後も、俺の隣でタバコをくゆらすババア。









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煙を吸う際、熱でタバコの先端が赤くなるが、
その度にババアのババアたる顔が暗闇に浮かび上がった。




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タバコを吸い終わると、ババアはトイレへ行く為、席を立った。

タバコ吸うわ、トイレ行くわ、接客業として完全に失格である。
しかし、忍者としては合格なのかもしれない。











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ここで気になるのは、隣の部屋の赤澤氏。
カーテンの向こうは、どういう状況になっているのだろう?
果たして彼は、無事なのだろうか・・?




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心配になった俺は、恐る恐るカーテンの隙間から
様子を伺うことにした。






















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超盛り上がってた。


頭巾を脱ぎ、素顔を晒してるババアに、赤い仮面をつけてる赤澤氏。
完全に立場を逆転させた上で、世間話に花を咲かせていた・・・

この赤澤という男、町の老人をダマす・・いや、
町の老人の心を開かせる技術といったら、俺などの数段上をいく。
一時期、それで飯を食ってたほどだ。

俺も負けてはいられないぞ!




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10分後、ババアがトイレから戻ってきた。
時間から察するに、生理かウンコと思われる。
生理はとっくに上がっていると思われるので、ウンコと思われる。

今度は、ババアの方から話を振ってきた。

ババア「わたし、一人身で寂しくてさ、どっかにいい男いないかしらねえ?」

俺「僕、男友達多いんで、良ければ紹介しますよ。どういった男性がタイプなんですか?」

ババア「わたし、年下がいいわあ~」

俺「具体的にいくつくらいの男性がいいんですか?」

ババア「う~ん・・・」









ババア「65歳くらいかなあ~」




「年下の男がいい」=「65歳以上の男がいい」=「ババアは65歳以上」

こういう方程式が成立する。

さっきは俺の2つ上って言ってたのに、
ここまでサバ読まれると、もはや気持ちが良い。

と、ここまでは良い流れでババアと雑談できていたのだが、
俺のふとした失言で、ババアとの関係に亀裂を生じさせてしまうことになる。




























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俺は、居酒屋とかスナックで居合わせた年長者の女性に対し、
親しみを込めて「お母さん」と呼ぶことがあるのだが、
いつもの癖で、ついババアをお母さん扱いしてしまったのだ・・・

さきほど「年下(65歳)の男が好き」とボロを出してしまったババアだが、
ボロを出したことに気づいていないので、まだ「31歳」という設定に
なっている。

当然、ババアは怒り始めた。



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俺の失言を耳にしたのか、カーテン越しに赤澤氏の噴き出す声が聞こえてきた。


やばい・・話題を逸らして一刻も早くババアの怒りを
沈めないと・・!














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しかし、もはやグダグダだった・・・・



















そんなこんなで時間切れ。
俺と赤澤氏は、くのいち屋敷を後にした。

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若い肉感的美女からの素敵な性的サービスを望み入店した、
そこらの男性客なら「ボッタくられた!」と幻滅しながら店を出るであろう。














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しかし俺と赤澤氏は、こういう、まったくオチの読めない
不気味かつ滑稽な出来事をを期待して入ったので、
うっとりしながら店を出た。

期待以上の大満足である。




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くのいち屋敷から満足げな表情を浮かべて出てきた俺たちを見て、
周囲の怖そうなキャッチたちが、どよめいたのが印象的だった。

やはりくのいち屋敷は、赤羽の風俗街の中でも、
相当浮いた店だったようだ。




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ひとつ気になるのは、入り口の張り紙に記されていた、「大奥大回転コース」。

一体どんなコースなのだろう?

一番安い体験入門コースの5000円に、プラス3000円で本番行為ができてしまう。

つまり、ババア一人8000円。

で、赤澤氏が担当のババアから聞き出した情報によると、
くのいち屋敷に在籍してる女性は、あのババア二人だけとのこと。

ババア二人つけて、3人でエンジョイしたとしても16000円という計算になる。
それに更に1万円もプラスするコースって一体・・・・









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ババアに木刀で半殺しにされる・・・そんなコースが脳裏をよぎった。









ちなみにくのいち屋敷は、































































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それから数ヵ月後にドロンしてしまった。

# by kurukurupaaaa | 2009-12-22 01:43  

潜入!謎の「赤羽くのいち屋敷」④

ご無沙汰しております。

続きものを書いておいて放置する、最低の人間こと清野こと愚民こと清野です。

R25のWebの1コーナーの連載のイラストを担当させてもらうことになりましたので、
せっかくなので見てください。
毎週サラリーマンのイラストを、頑張って描くぞ!

あと『東京都北区赤羽』③巻が、来月16日に出ます。
今回から3話増量するので、若干本も厚くなります。
細かい部分までこだわって作ったので、ご期待くだされば幸いです。



・・で、本題のくのいち屋敷の続きの件ですが、
大変申し訳ありません!!
実はまだ出来ていません・・!!!

出来てはいないのですが、イラストの下書きだけ出来ているのです。

あとは、これに色を塗って、文章を書けば更新できるのですが、
その作業に裂ける時間が、なかなか取れないのです・・。

かといって放置しすぎるのもどうかと思うので、
一先ず、イラストの下書きだけ公開してしまおうと思います。

着色と文章は後ほど必ず付け足しますので、
それまでイラストの下書きでストーリーを察して頂ければと思います。
























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すみませんでした・・

次はちゃんとやります

# by kurukurupaaaa | 2009-12-15 00:52