小山君
高校入学当初、俺はかなり孤独だった。
それは、同じ中学校からこの高校へ進学した友人が一人もいなかった為だ。
周りは皆、他中学出身の知らない奴ばかり。
どうやって一から友人を作っていいのかも分からなかったし、
特に作る必要もないかとも思ったので、常に一人だった。
そんな中、一番最初に出来た友達が小山君だ。

キッカケは些細な事だったと思うが、
俺達はすぐに打ち解け合い、毎日登下校を共にする様になった。

小山君は、その名の通り小柄な男で、性格も大人しく、
時折子供の様な無邪気な顔で笑うのだ。
小山君は、素直で優しいイイ奴だった。
そんなある日、小山君とビックリマンシールの話で盛り上がる。
俺達の年代の男子は、小学生の時にビックリマンシールを無我夢中で集め、
ちょうどこの高校生くらいの時期に殆どの連中が、シールを捨てたり人にあげたりして手放すのだ。
だが、俺は敢えてこの時期にビックリマンを集めていた。
単純にビックリマンが好きだった事もあるが、何より将来的に絶対プレミアが付き、
高値で転売できると思ったからだ。
(この目論見は当たり、結構儲けた)
中学校時代の友人達からもタダ同然の値段で買い漁り、
俺はこの時点で何千枚というシールを所持していた。
しかし、そんな俺でも、どうしても手に入らなかったシールが1枚だけあった。

それがこのヘッドロココ。
話を聞くに、なんと小山君はこのヘッドロココを持っていると言うではないか!!
しかも、タダでくれると言うのではないか!!!小山君!!!!
俺は大いに期待した。
しかし、、その約束から3日が過ぎ、4日が過ぎ、5日が過ぎても
小山君は持ってきてはくれなかった。
「小山君、今日は持ってきた?」
「ゴメン・・・忘れた・・・」
俺の中で、ヘッドロココに対する思いは膨れ上がると同時に
小山君に対する疑いの憎悪が膨らんできた。
「ほんとに持ってんの?」
「うん・・」
「じゃあ何で持ってきてくれないのさ?」
「ごめん・・明日は絶対持ってくるから・・・」
そして翌日、小山君はようやくヘッドロココを持ってきてくれた!

・・・小山君が持ってきたヘッドロココは、アイス版のヘッドロココだった。
俺が欲しかったのは、チョコ版のシール。
アイス版シールなんて、チョコ版シールのブームが一通り過ぎた後に発売された物で、
この当時の俺からしたら、何枚もダブったゴミクズ同然のシールである。
一週間以上待たされた挙句にゴミシールを差し出された俺は・・・

小山君に襲い掛かった。

そしてすぐに我に返った。

やがて小山君とは、徐々に口数が減っていき、
気付けば小山君は別のグループの連中と打ち解けていた。

俺は再び孤独になった。
それは、同じ中学校からこの高校へ進学した友人が一人もいなかった為だ。
周りは皆、他中学出身の知らない奴ばかり。
どうやって一から友人を作っていいのかも分からなかったし、
特に作る必要もないかとも思ったので、常に一人だった。
そんな中、一番最初に出来た友達が小山君だ。

キッカケは些細な事だったと思うが、
俺達はすぐに打ち解け合い、毎日登下校を共にする様になった。

小山君は、その名の通り小柄な男で、性格も大人しく、
時折子供の様な無邪気な顔で笑うのだ。
小山君は、素直で優しいイイ奴だった。
そんなある日、小山君とビックリマンシールの話で盛り上がる。
俺達の年代の男子は、小学生の時にビックリマンシールを無我夢中で集め、
ちょうどこの高校生くらいの時期に殆どの連中が、シールを捨てたり人にあげたりして手放すのだ。
だが、俺は敢えてこの時期にビックリマンを集めていた。
単純にビックリマンが好きだった事もあるが、何より将来的に絶対プレミアが付き、
高値で転売できると思ったからだ。
(この目論見は当たり、結構儲けた)
中学校時代の友人達からもタダ同然の値段で買い漁り、
俺はこの時点で何千枚というシールを所持していた。
しかし、そんな俺でも、どうしても手に入らなかったシールが1枚だけあった。

話を聞くに、なんと小山君はこのヘッドロココを持っていると言うではないか!!
しかも、タダでくれると言うのではないか!!!小山君!!!!
俺は大いに期待した。
しかし、、その約束から3日が過ぎ、4日が過ぎ、5日が過ぎても
小山君は持ってきてはくれなかった。
「小山君、今日は持ってきた?」
「ゴメン・・・忘れた・・・」
俺の中で、ヘッドロココに対する思いは膨れ上がると同時に
小山君に対する疑いの憎悪が膨らんできた。
「ほんとに持ってんの?」
「うん・・」
「じゃあ何で持ってきてくれないのさ?」
「ごめん・・明日は絶対持ってくるから・・・」
そして翌日、小山君はようやくヘッドロココを持ってきてくれた!

・・・小山君が持ってきたヘッドロココは、アイス版のヘッドロココだった。
俺が欲しかったのは、チョコ版のシール。
アイス版シールなんて、チョコ版シールのブームが一通り過ぎた後に発売された物で、
この当時の俺からしたら、何枚もダブったゴミクズ同然のシールである。
一週間以上待たされた挙句にゴミシールを差し出された俺は・・・

小山君に襲い掛かった。

そしてすぐに我に返った。

やがて小山君とは、徐々に口数が減っていき、
気付けば小山君は別のグループの連中と打ち解けていた。

俺は再び孤独になった。
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by kurukurupaaaa | 2007-12-26 06:24 | 友人